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くわしくへのガイド

 もっと知りたい方にはぜひ「くわしく」を見ていただきたいのですが、そのためには多少の知識が必要です。最低限必要な情報をここに示します。
成長段階
 クモは脱皮をして成長します。最後の脱皮をすると生殖能力をもった大人、成体になります。子どもを幼体といい、特に成体の 1 つ前の幼体を亜成体といいます。ハエトリでは、成体のオスだけが異なる色模様をもった種が多くいます。
部位の用語
 オスの成体では、触肢が膨らみ、腹面に複雑な構造ができて生殖器になります。メスの成体では腹部の腹面に外雌器という生殖器ができます。外雌器はかさぶたのように見える種もあれば、管が巻いているのが透けて見えるような種もあります。
 オスは腹部から出した精子を触肢に移し、これをメスの外雌器に当てがって精子の受け渡し (交接) を行います。交接に際して、オスは脚を振り上げて求愛を行います。
同定
 種名を突き止めることを同定といいます。一般にクモの場合、成体の生殖器の形が同定の重要なポイントになります。ハエトリは模様や形で見当をつけられるものが多いですが、最終的には生殖器を見ないと正確な同定ができません (本当はわかるものもいるのですが、「できない」と言っておいた方が楽なのでそうしておきます)。
学名
 生物の種には国際的に共通の名前、学名がついています。学名は主にラテン語で、2 つの部分から成り、前者を属名、後者を種小名といいます。苗字と名前のようなもので、属名が同じもの同士は近縁であることを表しています。学名は斜体で書きます。 新たに見つかった種の特徴を文章や図、写真によって記述し、学名をつけることを記載といい、しかるべき学術誌などに論文が掲載されて新種は誕生します。学名には後ろに命名者と記載年を書く場合もあります (たとえばミカヅキハエトリの学名は Evarcha selenaria Suguro & Yahata 2012 と書きます)。
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