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身近に見られる種類

 日本には 100 種類以上のハエトリが生息していますが、ある程度日本中広く簡単に見つかる種類を 20 ほど紹介します。家の周りやちょっとした自然の中で見つけたものならここに載っているかもしれません。ここになければ「くわしく」で探してください。写真はすべて左がオス、右がメスです。見つかる場所はおおよその目安です。
家の中や周り
アダンソンハエトリ
もっとも多くの人目に触れていると思われるハエトリ。建物の中でよく見つかります。大きさ (頭の先からおしりの先まで) は 7 mm 前後。オスは黒地に白い三日月ライン、それからお腹に白い点があります。メスは茶色っぽく、お腹の模様が波打ちます。アダンソンというのは発見した人の名前です。
ミスジハエトリ
建物の中や周りでよく見つかります。大きさは 7 mm 前後。オスはオレンジのおでこと黒いラインが特徴的。メスは茶色っぽく、お腹の模様はほぼまっすぐです。
シラヒゲハエトリ
日なたが好きで、日当たりの良い外壁や石垣でよく見つかります。大きさは 8 mm 前後。全体に灰色の体で、頭には黒い帯があります。メスはお腹にも黒い帯があります。
地面
ヤマジハエトリ
日当たりの良い草地で見つかります。地面がむき出しのところが探しやすいです。大きさは 7 mm 前後。オスもメスも茶色っぽいですが、オスは頭の横が黒っぽいです。
シラホシコゲチャハエトリ
日当たりの良い草地で見つかります。大きさは 3 mm 前後。小さいですがオスはおでこの茶色とお腹の白い点がきれいです。メスは全体に灰色です。上向きに跳ねるのが得意です。
カタオカハエトリ
草の間から見つかることが多いです。大きさは 3 mm 前後。オスのオレンジ色の脚がとてもチャーミング (「かんたん」のトップにいたのはこれ)。メスはうすいあずき色のような感じで、お腹になんとも説明しにくい細かい模様があります。
ヒメスジハエトリ
河原や畑の脇などで見つかります。大きさは 2 mm 前後、身近に見られる中では一番小さなハエトリ。目をこらして見ると虎縞がかっこいいです。オスとメスがよく似ています。
キレワハエトリ
草の間から見つかることが多いです。大きさは 3 mm 前後。黒地に金色の模様が入り、脚はややオレンジを帯びます。オスは一番前の脚が長くなります。
地面~草の上
マミジロハエトリ
草地や林で見つかります。大きさは 7 mm 前後。オスのおでこの白いラインが特徴。メスは頭に首輪のように白い線があり、お腹の先の方に 1 対黒い模様があります。オスも子どものうちはメスと同じ模様をしていますが、最後の脱皮をして大人になると突然オスの模様になります。
アオオビハエトリ
草地や林で見つかります。大きさは 4 mm 前後。この写真ではわかりにくいですが、頭の縁にメタリックブルーの線が光ります。メスはお腹の真ん中に太い黒帯があります。アリを食べることが知られていて、よくアリの行列の近くにいます。
ヨダンハエトリ
草地や林で見つかります。大きさは 7 mm 前後。紅白の模様がおめでたいハエトリ。メスは少し控えめですが、オレンジ色の段々模様がきれいです。
ヤハズハエトリ
ススキやヨシ、ササなど細長い葉の上で見つかります。大きさは 10 mm 前後。オスは黒地に白い羽毛のような模様があります。メスは白地でお腹には 1 対、光沢のある茶色い帯があります。危険を感じると葉の裏にささっと移動します。
草の上~樹の上
ネコハエトリ
草地で見つかることが多いです。大きさは 8 mm 前後。オスは真っ黒な頭と、お腹の真ん中にはいる葉脈のような模様が特徴。メスはおおむね明るい茶色で、説明しがたい複雑な模様がありますが、個体によってけっこう違います。大人のオスが見られるのは春から初夏だけです。
メガネアサヒハエトリ
草地で見つかることが多いです。大きさは 4 mm 前後。白・黒・黄色のまだら模様、メスは全体にうすい黄色です。
アリグモ
アリにそっくりなハエトリ。ちゃんと脚が 8 本あり、落ちる時は糸を出しますし、ハエトリの顔をしています (「くわしく」の「ポリシー」に登場)。草地や林で見つかります。大きさは 7 mm 前後。オスは顎がとても長いです。
樹の上
カラスハエトリ
草地や林で見つかります。大きさは 7 mm 前後。頭もお腹も幅広です。オスは黒地に白~黄色の模様、メスはうすい茶色です。自分の体よりもはるかに大きなエサを捕まえることができます。
デーニッツハエトリ
草地や林で見つかります。大きさは 7 mm 前後。オスは全体に茶色っぽい体、メスは頭からお腹にかけて 1 対の赤茶色の帯があります。
チャイロアサヒハエトリ
林で見つかることが多いです。大きさは 5 mm 前後。オスは非常に脚が長く、他のハエトリと一線を画します。メスは頭からお腹にかけて 1 対の茶色の帯があります。こう書くとデーニッツハエトリのメスに似ていますが、チャイロアサヒハエトリのメス方が小さく色が薄いです。
イナズマハエトリ
樹の幹や石の壁で見つかります。大きさは 4 mm 前後。やや体が平たく、オスは黒い頭に 1 ついの白い点、お腹は深い緑色で白い模様が入ります。メスは灰色っぽく、黒い波打ち模様があります。
エキスハエトリ
樹の幹や石の壁で見つかります。日蔭の方が多く、スギの幹が見つけやすいです。大きさは 4 mm 前後。やや体が平たく、暗い茶色の体に金色っぽい毛が生えています。オスとメスがそっくりです。
 身近に見つかる種類がこれで全部わかるわけではもちろんありませんが、「生き物の名前がわかる喜び」を味わえるきっかけになれば幸いです。味をしめたらぜひ「くわしく」の方も見てみてください。
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